2009年2月23日月曜日

Kemp (ed.) 1995


11年間に渡って刊行され続けたアマルナ・レポートの厚い第6冊目。最近の発掘調査の成果を収めていますが、これ以降、アマルナ・レポートはしばらく刊行されていない模様。近年、成果はむしろモノグラフで出版されています。
もっとも、「次号のアマルナ・レポートで発表する予定」と158ページには記されており、続巻が期待されるところです。

Barry J. Kemp (ed.),
with contributions by A. Bomann, A. D. Boyce, J. A. Charles, B. J. Kemp, M. D. S. Mallinson, I. J. Mathieson, P. T. Nicholson, C. Powell, P. J. Rose, D. J. Samuel, and F. J. Weatherhead,
Amarna Reports VI.
Occasional Publications 10
(The Egypt Exploration Society (EES), London, 1995)
vii, 462 p.

以下に示す通り、最初はこのシリーズ、年報として出すことが目論まれたのではないかと思われるのですが、第5巻と第6巻との間には6年の開きがあります。そのためか、この号ではページが倍増しており、また読み応えもある一冊。

Barry J. Kemp (ed.),
Amarna Reports I.
Occasional Publications 1 (EES, London, 1984)
viii, 211 p.

Amarna Reports II.
Occasional Publications 2 (EES, London, 1985)
ix, 204 p.

Amarna Reports III.
Occasional Publications 4 (EES, London, 1986)
xii, 212 p.

Amarna Reports IV.
Occasional Publications 5 (EES, London, 1987)
vii, 167 p.

Amarna Reports V.
Occasional Publications 6 (EES, London, 1989)
viii, 290 p.

22ページではアマルナ型住居の部屋の大きさに小キュービット(=45cm)の完数が用いられた可能性が指摘されています。四角い外形が定められてから、内側に向かって部屋の寸法が測り取られて行ったという推測は重要で、検討する価値があります。つまり、最も重要と思われる中央列柱室の矩形の寸法は余った長さとなるわけで、興味深い計画方法。住居内の堆積物の量から2階の存在を探る考察もケンプらしい。

210~215ページにわたる図版はきわめて重要で、アマルナの中心部における建造過程と都市の軸線の設定のやり直しが図化されています。カルナック神殿の平面図を裏返しにしてアマルナ王宮の図と重ねて見せるという離れ業もこの中に含まれます。

正誤表が一枚、差し挟まれていますけれども、アマルナから見つかった種子の植物学的な同定に関する表の訂正で、比較の中には「アニス」「セロリ」「フェンネル」「クミン」「パセリ」「ディル」といった名前が並びます。結局、インドに由来する「アジョワン」であろうと判断されており、おそらくは香辛料あるいは薬用として古代から用いられていたのではないかと推察されているのがとても面白い。

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