2009年3月20日金曜日

Hoelscher 1934-1954


古代エジプト建築の中で最も詳しく報告がなされているのは実はピラミッドではなく、メディネット・ハブとして知られているラメセス3世の記念祭殿。ヘルシャーが20年をかけてまとめた大判のこの5冊の報告書は、もちろんヘルシャーの主著のうちのひとつ。
特に第一巻の、判型がさらに大きい図面集には圧倒されます。ここには塔門のカラー復原図なども掲載されています。歴史あるアメリカ・シカゴ大学の東洋研究所(OIC)による刊行。

Uvo Hoelscher,
The Excavation of Medinet Habu, 5 vols.

Vol. I: General Plan and Views.
Oriental Institute Publications (OIP) XXI
(The Oriental Institute of the University of Chicago (OIC), Chicago, 1934)
xiv, 4p., 37 plates.

Vol. II: The Temples of the Eighteenth Dynasty.
OIP XLI
(OIC, Chicago, 1939)
xvii, 123 p., 58 plates.

Vol. III: The Mortuary Temple of Ramses III, Part I.
OIP LIV
(OIC, Chicago, 1941)
xiii, 87 p., 40 plates.

Vol. IV: The Mortuary Temple of Ramses III, Part II.
OIP LV
(OIC, Chicago, 1951)
xiii, 54 p., 42 plates.

Vol. V: Post-Ramessid Remains.
OIP LXVI
(OIC, Chicago, 1954)
xiii, 81 p., 48 plates.

第18王朝時代に属する記念神殿との比較をおこなった第2巻については、シュタデルマンが後に新たな考察を加えています。

このシリーズで見どころといえば、記念神殿に付設された宮殿が詳細に報告されている点で、第1期と第2期とが区別され、復原図も描き起こされています。古代エジプトの宮殿建築に関する第一級の資料。
古代エジプトのいわゆる「ハーレム」について調べようとすると、このメディネット・ハブの入口の門に必ず言及されていることに気づきますが、これは上階に珍しいモティーフが残っているためです。

メディネット・ハブの紹介でしたら以下の本も、とても重要。
薄い横長のペーパーバックながら、内容は非常に充実しています。トトメス3世小神殿の紹介は参考になります。
著者は惜しくも亡くなりました。現在ではダウンロードが可能。

William J. Murnane,
United with Eternity: A Concise Guide to the Monuments of Medinet Habu
(OIC, Chicago, 1980)
vi, 90 p.

http://oi.uchicago.edu/research/pubs/catalog/misc/united.html


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